ブラッシング

口腔細菌の歯周辺から剥離し、う蝕(虫歯)を予防する

砂糖などの糖分が入った食品を摂取すると、そのカスが細菌によって菌体外多糖類(ネバネバ物質)に変化します。
果糖はネバネバ物質に変化しませんが酸を発生し、う蝕の原因になります。
このネバネバ物質が歯垢に成長していくのです。 これらの物質は、虫歯予防にはもちろん、衛生上の理由からも取り除くことが望ましく、歯ブラシで物理的にかき落とす方法が一般的です。
健常者だけでなく、要介護者も歯垢をしっかり落として口腔内の自浄作用を高める必要があります。歯垢除去を目的とする際は、歯ブラシを使用するのが理想的です。要介護者の歯垢除去は、怠ると、う蝕が広がり残存歯数が急速に減ってきます。
歯は咀嚼や発音発声、食欲などに大きな影響を与えますが、何より歯が無くなると“元気が無くなってしまう”これを極力防ぎたいものです。
また、自分で歯磨きができる方であっても、歯磨きそのものが不適切であったり、左手しか使用できない為によく磨けていないというような方も多くみられ、歯科医や指導員の指導を定期的に受けたり、より磨き易い歯ブラシを選択する必要があります。

しかしながら現実的には、一人ひとりに当てるブラッシングの時間が限られており、うがいも困難であることが多い為、ガーゼやスポンジでカスを拭い取るのみになっている場合が少なくありません。

口腔内の清掃(食物残渣・口腔内堆積物・痰・舌苔の除去)・義歯の清掃

口腔内の雑菌の繁殖を防ぎ、嚥下性肺炎、 誤嚥性肺炎を予防する
異臭の発生を抑え、味覚機能、衛生環境の向上を図る

健常者でも唾液やカスが気管に入って(誤嚥)、むせて苦しくなることがあります。 就寝中でもよくあるこの誤嚥は、体力が衰えた方には大変つらいものですが、老人性肺炎の原因に、細菌で汚染されている唾液や食物のカスが気管に進入するケースが考えられております。
痰を吐き出す機能が低下している場合は特に注意が必要です。
一方、舌苔は、注意を怠ると舌の上に厚く堆積することがあります。特に要介護者はなかなか気が付きません。
舌苔は不快な口臭の一因になっており、周囲の環境にも悪い影響を与えてしまいます。さらに舌苔は細菌の温床にもなっている為、病気を引き起こすことも考えられます。また、舌の汚れが酷い場合は、味覚にも異常が発生し、食欲減退にも繋がります。
除去する際に剥離した舌苔が口腔内に落ちてしまうのは問題です。舌クリーナーは様々な種類が市販されているので、比較されるとよいでしょう。

義歯についても細菌の繁殖・悪臭の発生ということでは全く同じです。化学的な洗浄やブラシによる洗浄を組み合わせ、丁寧に汚れを落とす必要があります。また、義歯を使用している場合は、歯肉表面を覆うことになる為、自浄作用(唾液分泌)が抑えられてしまいますので、ますます口腔内を清潔に保つ必要があります。

肺炎は身体に著しい負担があり死亡率も低くありません。危険な要因は、できる限り取り除いておく必要があります。口腔ケアによって恐ろしい肺炎を予防しましょう。

口腔機能のトレーニング・リハビリ

咀嚼(噛む食べる)能力・話す能力・味覚など刺激を感じる能力の向上を目指す

口腔機能とは、食べる・話す・感じる・唾液を分泌するなど様々な機能を指します。
食べることは、栄養摂取以外にも、喜びがあり感動があります。
同様に話すことは、コミュニケーションをとるだけでなく、感情を表現したり、ストレスが解消できたりする大切な活動です。
これらの機能は、他の身体機能と同じように専門医、指導員によりトレーニングやリハビリを受けることによって、改善あるいは維持することが可能です。
また、介護する方のちょっとした気配りも重要になります。
専門医に相談し適切なプログラムに沿ってケアすることが重要です。

口腔疾患の歯科的処置

口腔疾患は他の疾患を誘引する危険もある為、できる限り早期の治療へ導く

健常者でも、口腔内の状態は普段から注意していないと、その変化に気づくのが遅れてしまいがちです。
要介護者の場合は、さらに遅れてしまいがちであることと、自然治癒することが少ないこと、他の疾患につながってしまう可能性があることより特に注意をする必要があります。
異常に気がついたら、直ちに専門医・スタッフに相談しましょう。